泣くなよ

アレだ。アレだろ。たぶん間違いない。ボクはいま中央線の中にいると思いねぇ。実際はいないけど。おもっきし家だけど。でも数十分前には中央線の中にいた。つまりそうゆう意味。回想シーンだよ。通じろよ。通じたな。よし、通じたということにして話を戻す。さっきからボクの後ろに女がいるのさ。いや、どんな女かは知らない。あいにく後頭部に眼球を引っ付けてるような特殊人間ではない。そんなオシャレ心は持ちたくない。でも間違いなく女だということは分かる。それは眼球いらない。ケツの感触でな。ケツの感触でな。二回言ってみた。二回言いたくもなるさ。アレだ。アレだよ。エラい気持ち良いんだよ。


ボクはけっこう背が高くてですね。まぁ一般女子と背中合わせに立ったとしたら、ちょっと背の差が出てきますわな。そんでさっきからアレですよ。ボクの、ケツと太ももの中間ぐらい?(クイッと凹んでるあたりね)そこらへんにですね。彼女の、ケツと腰の中間ぐらい?(クイッと凸ってるあたりね)そこらへんがミッチリと密着してるんですわ。ミッチリってエロイ擬音だな。まぁベッタリとね。ネットリとさ。してるわな。してるわぁよ。すげぇすげぇ。都会のド真ん中で、凸と凹が出会った。なんだ、このフィット感。これを運命って呼ばなかったら神様が怒る。しかもこいつが何だか、いや電車が混んでるせいだか何だか知らないけどさ。クネクネと動かすのさ。凸の方がクネクネ動きやがるんだ。したらボクの凹もメロメロですわ。ボクの後半身にある凹がメロメロですわ。前半身にある凸はメッキメキですわ。いや。あの。ちょっと。動き。すぎ。あっ!


まぁここで普通の男なら?普通ーの、普通ーの男なら?この女は痴女なんじゃねぇかとかよぅ。いや惚れてんじゃねぇかとかよぅ。妄想してみるじゃないですか。いや、否定はすんなよ。そりゃ、どっか考えちまうって。それは当たり前。だって凄いんだもん、動きが。クネクネ。クネクネ。でもね。でもさ。でもボクも社会人ですよ。少しは賢くなりました。成長しましたよ。こうゆう時は思考回路を変えるに限る。手前ぇの脳ミソで考えたところで結果は同じ。「この女、ボクに惚れた」うん、そう言い出す。変わらない回答。ならば考え方を人に委ねる。自分より信頼できる存在に託す。よってボクは精神世界に旅立つことにした。より高次元の世界にて答えを模索する。それではサヨウナラ。精神世界旅行。精神世界漂流。精神世界彷徨。精神世界より帰還。ただいま。精神世界は答えを導いてくれた。この女、ボクに惚れてるんだって。間違いないんだって。精神世界は凄い。


最終的な結論を言うとババァだったんだけど、そんな3次元的な回答はもうどうでも良い。結論はもう出た。ボクは幸せだったってことだ。それで良いじゃねぇか。なんか文句あんのか。お前はオレの幸せを壊すのか。お前は敵か。敵なのか。