和民にて


「なぁ、少し愚痴らせてくれないか」
「お、珍しいな」
「なんだよ、言ってみ?」
「先日、友人と酒を飲んだんだ」
「お前の話は酒ばっかだな」
「忙しい、忙しい言ってるくせにな」
「いや、やっぱり疲れてたんだろう。酔い潰れて寝てしまったんだ」
「お前もそんなことがあるのか」
「珍しいこともあったもんだ」
「それでな、俺が寝たあとにな」
「どうした」
「なんかあったのか」
「色々とイタズラされたらしいんだ」
「修学旅行のノリかよ」
「アホらしい」
「しかも写真まで撮られたんだぜ?」
「それは酷いな」
「ちょっと悪ノリがすぎるんじゃねぇ?」
「しかもその写真をWEBで公開されたんだ!」
「それは酷い」
「ちょっと可哀想すぎるな」
「だろ?そう思うだろ?」
「俺もあの写真は、思わず保存させて頂いた」
「俺も。HDDに」



だれも信じない人生というのも、けっこう楽だ(と思う)