仕事の話2

ま、そんなワケで絶望がたっぷりと詰まった革靴を履いて。死期が軽く見え始めたツラに生えたヒゲを剃って。太陽にちょっと吠えて。月に少しだけ泣いたりして。今日も今日とて会社に足しげく通うボクであるのですがね。これで相手がフェラチオの抜群に上手かったりする、新宿歌舞伎町にて働く儚げな淑女だとかいうのなら、ボクの足も鉄棒になるまで足しげく通ってやりますけどね。いや、ここで「足が鉄棒」などと言い出したのは「歩いてばっかいると足が痛くなるよね」っていう事象と「チンポが硬くなる」っていう3本目の足の破天荒っぷりを軽くシャレた感じで言おうとして諦めたんですけど。


ボクがやってる仕事はちょっと特殊でして。ちょっと特殊な設定をしてあるPCじゃないと作業できないんですよ。愛しの相棒ってワケですな。コイツがいなきゃ何にも出来やしねぇ。俺は何にも出来やしねぇ。そんなワケさ。だけどな。だけどアレだよ。コイツもけっこう可愛いところがあるんだぜ。コーヒーを淹れんのが上手いんだ。その香りで俺は目を覚ますのさ。きっと幸せって奴はコーヒーの香りをしてんだろうよ。だからさ。俺はさ。今日もアイツに会いに行くさ。そんなのも良いだろう?それって、そんなに悪い気分じゃねぇだろう?


「おはようございまーす」


「あ、鹿野君。ちょっと大事件」


ボクの相棒が噴火してました。