気付いたら指先から相当量の出血をしていた痕跡が残されていたので推理した。人間とは理由を考えることが出来る生き物である。しかし出た結論は、現在のボクが全く持って赤貧という言葉でしか表現出来ない状態に成り下がっているのと全く同じものだった。つまり、何故か分からない。大半の血はすでに固まっていたので、これはもはや真相を究明するなどと思わず泣き寝入るべきか・・・。現実はいつもそう。襲い掛かるのは理由のない暴力ばかり。そういえば親友から電話があったのに気付かなかったのでメールを返したら「住所を教えなさい」と返信があった。先週の金曜のことだ。11日の金曜日というものも不幸というヤツは舞い降りるらしい。現実は映画のようにはいかない。それはみんな分かってたことだろう?人々は日々このような形で暴力を振り翳される。互いの住所すら知らないような希薄な関係であったとしても必死に保ち続けた友人との絆。それがこのような形でまた一つ暴力によって返された。経験の無い人は友人から住所を聞かれるようなことがあったら気を付けて欲しい。やつらはすぐそばにいる。すぐそばだ。ご祝儀の用意などもある。時間は無いんだ。お金はもっと無い。いつの日か君達の指先からも血が流れ出すことがあるかもしれない。13日の日曜日だって不幸はやってくるんだ。