甘いものが全く食えない僕の食べるお菓子といったら、当然ですが煎餅やおかきになります。会社の購買でブルボンのプチプラスシリーズ(http://www.bourbon.co.jp/sei/petit.htmlの一番下)が売っていて、このチーズおかきがお気に入りです。ところがこのシリーズ、見ての通り全部で4種類あるのですが、明らかに売れるペースが違う。1回の仕入れで各10本ずつぐらい入るのですが、必ずチーズおかきが真っ先に売れて、他3種はあんまり売れません。それでも1ヶ月もすればだいたい全てなくなるのでまた仕入れがあるのですが、問題は他3種が売り切れるまでチーズおかき仕入れがないという点です。物品販売ナメとんのか。僕のペースは3日1回ぐらい買うかなという程度なのですが、それでも3回も買えばチーズおかきは売り切れです。あとは他3種が売り切れるのを待つだけ。入出庫の一覧なんか見るまでもなく、誰でもレジに立ってりゃ気付く流れだと思うんですが…。シリーズ4種セットで買った方が割引率が高いとかあるのかもしれないけど、にしたって酷い。食べたいもんが食えないってのはなかなか辛いものがあります。ならコンビニでも行けよとか思われるかもしれませんが、最寄のコンビニまで往復30分掛かる職場環境なのであります。会社来る前に買ってこいとか言われると、いやそこまでして食いたいほどのモンじゃないのですとしか言いようがない。

ちゅわけで先日、ついに店員さんに進言してみました。この商品だけ売れるペースが違いますから、何も毎回同時に仕入れなくても良いんじゃないですか?みたいな。あー、それじゃちょっと相談してみますね、と中々の好反応だったので良いこと言ったなーと思いました。ところが後でよくよく考えてみるとこれ非常に居心地が悪い。この僕の一言で店舗の発注数が変更される可能性が出てきたというわけで、これで「んだよ、全然売れねぇじゃん」みたいなことになったら凄く来店しにくくなってしまうではありませんか。なんせコンビニまで往復30分です。ここに行きにくくなったら、人としての一般的な生活が全く行えなくなってしまいます。そもそもよく考えてみたら10本中3本ぐらい自分で買ってるんですから流れとして本当にチーズおかきがバカ売れだったかどうかなんて分かりません。購買心理として、少し売れている商品の方が売れやすいという傾向もあり、チーズおかきの売り上げ上昇傾向に僕がかなりの確率で貢献していた可能性すらあるのです。さらに言えば割り増された入荷個数に対し僕が購入ペースを守っていたとすれば、その上昇傾向も打ち消されるでしょう。失敗したー。ちょっとぐらい我慢しときゃ良かったかもしんない。あー、でもいざとなったら3日に1回を2日に1回ぐらいのペースに上げりゃ、もし仮に仕入れが倍とかになっちゃったとしても、まぁとんとんぐらいになるんじゃねぇかな…、ん、まてよ、したらまた調子乗って仕入れ数を上げてくるんじゃねぇか?うっわ、これ逃げ場が全くねぇ。やっべぇ。

そして数日後。店に行ってみるとチーズおかきは見事に他の種類の倍の数が仕入れられていました。うわぁ…。客からの進言→即発注数倍、という短絡的思考も含めて「うわぁ…」。ここで唐突に思い出したのが昔、伊集院のラジオに投稿されたネタで。小学生が近所の駄菓子屋で、当時新発売された「すっぱムーチョ」を試しに買ってみたところで店のおじさんに「なんだい、これ好きなのかい?」と聞かれ、思わず「うん!」と元気よく答えてしまう。帰ってから食べたすっぱムーチョはいまいち好みではなく、もう買わないかなーと思う。ところが後日また店の前を通るとおじさんが大量のダンボール箱をトラックから降ろしているところに遭遇し、「おぉ、ぼうずの好きな奴、一杯仕入れたからな!」と言われてしまう。子供心にも分かるぐらい経営がやばいことになっていた駄菓子だったそうで、やばいこのまままじゃ僕の一言でこの店にトドメが刺されてしまう!という恐怖に駆られ、それは強迫観念と変わり、少年はそれ以降小遣いの全てをすっぱムーチョに注ぎ込む生活に。そしていつしかそれは「自分はすっぱムーチョが大好きな人間」「自分はすっぱムーチョがなければ生きていけない人間」という自己暗示にまでなり、心の底からすっぱムーチョを求め続ける人間になってしまう。同年代の友達が色々なものを買う中「いや、でも僕はすっぱムーチョがあれば満足な人間だから」と本気で思うまでになり、それは中学に上がるまで(とうとう店が潰れるまで)続いたんだそうな(この話、なんのコーナーのネタだったかなー)。こえーー。洗脳こえーー。僕はそこまでチーズおかきを食いたくないです。

まぁ最終的にどうなったかといえば、相変わらずチーズおかきはガンガン売れていて、けっこうまだ売り切れたりもしてます。それどころか、その他の商品もきちんと売れ筋の入荷数が上がったりされるようになってきました。やっと気付いたか。まぁここで調子コイてさらに発注増やしてダブついたとしても、そこまでいけばもうそれは完全に調子コイちゃった店の人の責任ってことでいいかーと思いました。つまり何が言いたいかというと、この内容の無い悩みでこの文章量はどうなんだっていう。