ガキの頃は、なんか任侠系の映画が大好きだったのですよ。男の世界!て感じじゃないすか。なんか恐ぇーし。すげぇ暴力的なんだけど最後に一本の筋は守るというような、そんな魅力。だから極妻みたいな現代に寄ったものよりも、若干古めの映画の世界に惹かれていたんですよね。しかしながらガキはガキなので、それも小学生とかそうゆうレベルのクソガキなので、中の人達が実際のところなにをやっているのかとかはよく分からん。奴等が守ってる面子だとか体面だとかそうゆう世界がよく分からん。今にして思えばそんな「なんかよく分からんルールに縛られながらも足掻くかっこいい男達」の世界に惹かれていたのかもしれませんね。で、数年後。そのよく分からんルールみたいなものの名前が「仁義」だっていうことが分かって、あーそうなんだーと思ってから、物凄いびっくりした。「仁義なき戦い」って、仁義が無いじゃん!無いんじゃん!すげー駄目じゃん!最初っから宣言しちゃってんじゃん!スタートラインにすら立ってないじゃん!いや、あの時の驚きっぷりはちょっと言葉では説明できそうもありません。心のどこかで信じていたものが足元から音を立てて崩れ落ちたような気がしました。仁義なき戦いは見たことがないです。